1.はじめに
 昨今いろいろな用途にEPSは使用されるようになり、その使用環境は多種多様なものになってきています。EPSはプラスチック製品であるものの、あらゆる環境で使用できるわけではなく、その用途に応じて正しく使用されなければなりません。
 特に、EPSの原料であるポリスチレンは溶剤系に弱いとされていますが、これを説明する資料としては○×△程度であり、明確に示されているものはなかなかありません。
 そこで、EPS建材推進協議会ではEPSを正しく広く使用していただくために、耐薬品性試験を行いましたのでここに報告します。

2.試験方法
 2-1.使用材料
  EPS 4号品(実重量16kg/m3)
  使用薬品は別途報告書のとおり
 2-2.試験片の大きさ
  10mm×25mm×300mm
 2-3.接触方法
  200mlのビーカーに薬品を約150mlほど注いでおき、EPSを浸漬させる。
 2-4.試験水準
  ①薬剤温度 23℃±2℃(常温) 及び 50℃±2℃ の2水準
    但し、引火点が低い薬剤は常温のみとする。
  ②浸漬時間 1から2秒 、 10分 、 1時間 の3水準
    浸漬1から2秒で取出した試験体も経過観察する。
 2-5.評価方法
  外観変化を異状なし、変形、収縮、溶解、1部溶解で判断し
  写真撮影を行う。
耐薬品性試験
3.結果
別途報告書及び写真のとおり

4.注意事項
 本試験はあくまでも外観評価であり、機械的性質や耐久性などについての評価は行っておりませんので、あくまでも目安であり別途確認が必要です。
 アスファルトの試験に関しては、アスファルトの温度を100℃に加熱しEPSに塗布しており、溶融状態のアスファルトに浸漬したわけではありません。また、EPSの温度も上がっておりません。






試験報告書
平成20年10月27日
財団法人  化学物質評価研究機構
東京事業所
埼玉県北葛飾郡杉戸町下高野1600番地
TEL 0480-37-2601 FAX0480-37-2521

下記薬品名をクリックすると、その試験結果が表示されます。

試験温度:23±2℃
  試験時間
使用薬品 直後 10分後 1時間後
①フタル酸ジオクチル
 (DOP)
異状なし 異状なし 異状なし
②アスファルト 異状なし 異状なし 異状なし
③ガソリン 一部溶解 全て溶解(10秒後)
④シクロヘキサン 一部溶解 全て溶解(60秒後)
⑤トルエン 全て溶解
⑥ジクロロメチレン
 (塩化メチル)
全て溶解
⑦アセトン 全て溶解
⑧A重油 異状なし 収縮 全て溶解(45分後)
⑨灯油 異状なし 異状なし 収縮
⑩軽油 異状なし 異状なし 異状なし
⑪シリコングリース
  カップグリース
異状なし
異状なし
異状なし
異状なし
異状なし
異状なし
⑫酢酸 異状なし 異状なし 異状なし
⑬硫酸 異状なし 異状なし 異状なし
⑭アンモニア水 異状なし 異状なし 異状なし
⑮水酸化ナトリウム水溶液 異状なし 異状なし 異状なし
⑯エチルアルコール
 (エタノール)
異状なし 異状なし 異状なし
⑰オリーブ油 異状なし 異状なし 異状なし

試験温度:50±2℃
  試験時間
使用薬品 直後 10分後 1時間後
①フタル酸ジオクチル
 (DOP)
異状なし 一部溶解 全て溶解(45分後)
⑪シリコングリース
  カップグリース
異状なし
異状なし
異状なし
異状なし
異状なし
異状なし
⑫酢酸 異状なし 異状なし 変形
⑬硫酸 異状なし 異状なし 異状なし
⑭アンモニア水 異状なし 異状なし 異状なし
⑮水酸化ナトリウム水溶液 異状なし 異状なし 異状なし
⑰オリーブ油 異状なし 異状なし 異状なし